休日とか初任給とか、ぜーんぶ車。

父親はレーサー。僕自身も、幼いころから車が大好き。大学生になって自分の車を持ってからは、アルバイトをして様々なパーツを買い集めて、車いじりに熱中していました。
車の面白いところって、乗ればすぐに手を加えた結果が感じられるところ。たんに性能の高い車が欲しいだけなら、色々調べて望む車種を買ったり、プロの整備士に任せたっていい。でもそれだけではなくて、自分で考えていろんなパーツや整備のやり方を試してみる。その結果次第でまた、「もっといい車」にしていくにはどうすればいいか考える。やってみては改善していくプロセスそのものこそ、僕が車いじりにハマっている理由なんです。就職したので、ずっと憧れていた車を買うこともできました。

金型をつくるのに必要なのは、とにかくやってみて考えること。

こんなふうに車の話をしていると、趣味ばかりが充実しているように映ってしまうでしょうか(笑)もちろん車も大好きですが、車と似た面白さが、今の仕事にもあると感じています。
僕が行うのは、主に製品をつくる金型の部品を組み立てる仕事です。これまでつくってきた部品は数千種類にのぼり、新しい技術も日々必要になる。1度のテストでうまく金型が完成することはほとんどありません。試作を行いながら、部品や加工方法を調整して、仕上がりを見ながらまた別の方法を考えて。そうやって何度も手を動かしては改善を重ね、最終的に理想の金型に仕上げていきます。考えてやってみた通りの結果になると、やはり嬉しいですね。「もっとこうしてみよう」とやってみて、考えながらよくしていく。それって僕の大好きな車も、ここでの仕事も同じだと思うし、だから今、充実した毎日を過ごしていられるのだと感じています。